市長コラム「ごせん歳時記」(広報ごせんより)
vol.4「入梅を迎えて」(令和4年6月10日号)
みなさま、こんにちは。
旧暦では水無月で、梅雨の季節となり一年でも一番の出水期でありますが、暦では水がない月。旧暦、つまり陰暦と陽暦(太陽暦)では時間差があります。私は前の職業で中国吉林省に赴任していたことがありますが、中国・中華圏でのお正月は毎年違っていました。1月中旬であったり2月に入ってからであったり、「春節」と呼ばれ、ちまたは大変はなやぎ、楽しい思い出があります。
さて、菅名・大蔵・白山など山々の雪はすっかり消え、まさに緑のじゅうたんが敷かれている山面は自然の美しさそのものです。視力の弱い私には眼鏡をとって遠くの山々の木々、自然などを見るのは視力回復のトレーニングになっています。
しかし、自然は時として想像を絶するほどのエネルギーを発し、私たちに脅威を与えることがあります。既にご承知と思いますが、気象庁が今月から積乱雲(よく言う入道雲)が直線状に並んで大雨を降らせ続ける気象現象の「線状降水帯」を予測し、半日から6時間前に予測情報を発表することになりました。雨雲の動きやアメダス(国内約1300カ所による降水量などの地域気象観測システム)のデータから予測するのですが、その情報をいかに私たちの防災につなげるかです。線状降水帯予測の警戒レベルによっては即時避難の措置もあり得るでしょう。
私は市民のみなさんが安全安心で過ごせるように、防災意識の向上とその環境整備に最大限努めてまいります。この広報ごせんを活用し、また地域、町内などへおじゃまし、防災啓発活動に取り組みます。
五泉は誰もが感じる水の豊かな所です。水の恵みに感謝し、畏怖をもって、出水に対する防災意識を改めてこの時季に喚起したいと思います。
vol.3「鯉のぼりに思うこと」(令和4年5月10日号)
みなさま、こんにちは。一年で一番良い季節がこの皐月、5月ではないでしょうか。
子どもの頃の思い出で、唱歌「鯉のぼり」を歌うたびに、たちばなかおるさんに憧れ、どんな人だろうかと思いをはせたものでした。ある時に人の名前ではないことを知り、自分自身の愚かさを反省しました。この唱歌の歌詞は、日頃あまり使われないフレーズが多いですが、心を高揚させるこの曲は、この時季になると自然と口ずさんでしまいます。子どもたちが 鯉のぼりの鯉のように、すくすくと寛大に育ってほしいと切に願います。
さて、5月の満月をフラワームーンというそうです。東の山瑞から出る大きな月に目を見張りますが、田植えを終えた水田に映る月も格別です。今年は16日がフラワームーンのようですので、思い思いのお月見をされてはいかがでしょうか。
田植えも皐月・5月の風物詩。これも子どもの頃の思い出で、田んぼに田植え定規という道具を転がして苗を植える印をつけ、子どもも含め家族総出で田植えに励んだことを、昨日のことのように思います。
今では時代に合わせて機械化が進み、歩行田植え機、そして乗用田植え機が主流。さらに作業の効率化や省力化などを図るために自動運転機能の田植え機も登場したと聞きます。農業をはじめ、いろいろな産業の分野でICT(情報通信技術)やロボットの開発が進んでいますが、その原理にあるのは、「温故知新」であると思っています。
過去から連綿と続く事柄をよく調査し、実証して得られた知見を活かして新しいしくみ、技術が生まれてきています。その繰り返しが未来へ続いていくのです。
私は久々に、五泉の空に高く泳ぎ、踊る鯉のぼりを見て童心に帰るりつつ、明日、そして未来へ思いを抱きます。
vol.2「エールを送ります!」(令和4年4月10日号)
みなさま、春の陽気になりました。
この号がみなさまのお手元に届いたころは、学校での入学式や会社の入社式も終わり、夢や希望をもって進んでおられることと思います。心より拍手をもってエールを送ります。
さて、市長に就任させていただき、久々に小・中学校の卒業式や入学式に臨席させていただきました。卒業式は私の大学の卒業式以来で、仕事にかまけて子どもの卒業式に一度も出席したことがないため(決して自慢でないですね)、日常にない新鮮さと緊張感に包まれました。
コロナ禍で卒業生、保護者、教職員の一部のみという制限された中での開催でしたが、それぞれの学校で卒業生の門出への祝福の気持ちでいっぱいでした。
ある学校での卒業生の答辞。感謝や巣立ちゆく思いを赤裸々に、そして意気揚々と話されていましたが、先生への感謝の言葉になった瞬間に感極まったのか涙声になり、こらえながらも立派に答辞を果たしたのは感動的でした。私はメガネ、マスク越しに涙があふれました。
コロナの影響は大人の社会のみならず子どもたちへの影響も大きく、学校生活での勉強や部活動などの制限に見舞われながらも、それ以上に成長できたのではないかと思いました。
ふと、中国の故事成語で「疾風に勁草(けいそう)を知る」(困難や試練に直面した時に初めてその人の節操の硬さや意思の強さを知る意味)を思い出しました。
厳しい状況は多々訪れるでしょう。時には涙することもあるかもしれません。成長のための新たな一歩を私は支えていきます。今年も五泉の桜はきれいに咲き始めますよ!
ちょっとブレイク(令和4年3月23日)
市民の皆さま、こんにちは。
ようよう春を迎え、よい季節になりました。「花のまち五泉」の開幕。
しかしながら、どこか心穏やかになれないのは、ロシアの軍事侵攻によるウクライナの惨禍には、遠い国のことであっても心が痛みます。
世界、人類の平和を希求するのは誰でもあり、戦争という蛮行はあり得ません。
五泉市は皆さまご承知のとおり、非核平和都市宣言をしています。市役所の前に十数年前から大きな立て看板もあり、五泉市民の平和への願いでもあります。
3月18日に五泉市議会において、ロシア連邦のウクライナでの即時停戦とロシア軍の撤退を求めるとともに、ウクライナへの人道支援や在留邦人の安全確保を求める「ロシアによるウクライナ侵略に抗議する決議」がなされました。
五泉市はいち早く、ウクライナ人道支援募金を呼びかけ、市役所や支所に募金箱を設置し、五泉市民の皆さまの篤志をウクライナへ五泉から届けようとご協力をお願いしているところです。また、3月17日から五泉市ふるさと納税のサイトからも募ったところ、募金箱とサイトからをあわせて100万円を超える篤志が集まっています。篤志をいただきました皆さまに対しまして、五泉市を代表してお礼申しあげます。
今、私たちが微力でも、平和のため、ウクライナ市民のためにできることを模索しながら、今後とも引き続き募金等の協力をお願いさせていただきます。
また、当面の間、本庁ではウクライナ支援の証として、ウクライナ国旗を掲揚します。
ウクライナへ五泉の心を、皆さまとともに届けてまいります。
vol.1「春はあけぼの」(令和4年3月10日号)
市民のみなさま、こんにちは!
毎月10日号の紙面におきまして、私が五泉の折々のコト、モノに寄せる「ごせん歳時記」と題したコラムを掲載させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
故郷五泉に戻り、久しぶりにこの時季を感じるのは、清少納言の「枕草子」の冒頭の「春はあけぼの、やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて」を想起し、朝の大蔵、菅名の山々の清々しい美しさです。
清少納言が内裏から京の山々を臨む風景とは異なりますが、空と山のコントラストは目を見張ります。
この風景は天候等によって毎日変わりますし、自分自身のその日の感情によっても変わりますが、心の風景として未来永劫焼き付けておきたいものです。
新型コロナウィルス感染症拡大によって社会が大きく変容しましたが、五泉の自然や人情は変わりません。
これから、五泉の花シリーズの開幕です。水芭蕉から始まり、桜、チューリップと3月4月の五泉を彩り、市民はもちろんのこと、市外からのみなさまの心を和やかにしてくれます。
コロナ禍で心を和やかにならない状況ですが、毎号で市民のみなさまへの感染予防の徹底をお願いし、また感染対策の決め手となるワクチン接種などあらゆる施策を講じて、市民のみなさまの安全・安心のため、全力で取り組んでまいります。
「明けない夜はない」ように、私はみなさまと一緒に春の光を心待ちに念じています。
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最終更新日:2022年06月10日