市長コラム「ごせん歳時記」(広報ごせんより)
vol.29 「敬老の日に思う、ありし思い出」(令和6年9月10日)
みなさま、こんにちは。暑かった夏が過ぎ、朝晩の涼しさを感じ、吹く風に方々で始まった稲刈りや里芋を掘り起こす土の匂いを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。みなさま思い思いにそれぞれの秋、季節の変わり目を感じると思いますが、私はシャワーの水温で秋を実感します。お風呂の入浴よりシャワー浴びを好む私としては夏場は37度ですが、今日この頃は38か39度でないと体が適応してくれません。お風呂派の人も恐らく、湯温を上げて長湯になってきているのではないかと推察します。季節の変わり目、どうぞ体調管理にお気を付けください。
さて、9月は敬老の日があり、ある年にはいくつかの祝日と曜日配置が重なりシルバーウィークと呼ばれる大型連休になることもありますが、今年は3連休が2週続きますね。市では昨年に続き、長寿と健康をお祝いする式典を敬老の日前後に開催させていただきます。各地域別となっているとはいえ、久しぶりに懐かしい友との再会を満面の笑顔で喜び合い、楽しいひとときを過ごされている姿に目頭が熱くなります。昨年は式典の最後にみなさまと万歳三唱を声高らかに行いましたが、今年もはて、みなさまと一緒に何かやりますよ。
この季節になると明治38年生まれの祖母を思い出します。他界してから数十年たちますが、私の父を含め10人の子どもを育てまさに激動の昭和を生き抜いた女性でした。いまだに何気なく口ずさんでしまいますが「クロポトキン」や「東郷大将」登場する数え歌や「カチューシャかわいや」などの歌です。これらの歌を強く認識したのは高校の日本史の授業でした。祖母が幼少、少女だった明治・大正期の世相を背景に作られた歌で、祖母の生きた時代は娯楽が乏しかった中でこれらの歌を何度も何度も歌い、いつしか孫の子守歌として歌ってくれていたのでしょう。遠い昔の祖母との思い出としていつまでも口ずさみたいと思います。みなさま、ぜひ、ご家族を思い、大切にしていただきたいと思います。
vol.28 「梅雨が明け、残暑お見舞い申し上げます」(令和6年8月10日)
みなさま、こんにちは。蝉の鳴き声が高まる8月のカレンダーをめくったと同時に例年より遅く梅雨明けとなりました。真夏日は続く日々ですがお元気でお過ごしでしょうか。立秋をすぎて暦の上では秋ということですが、すべての市民のみなさまへ残暑お見舞い申し上げます。
さて、野山はじめ、いたるところに大きく咲き誇っていたアジサイが枯れ、かわいいムラサキツユクサや少し寝ぼけた感じのヒルガオの花が咲く中、これから一段と存在感を発揮するのがセイタカアワダチソウ。私は今年畑づくりに挑戦しましたが、この野草はあっという間に力強く大きくなり、ちょっとやそっとの力では抜けないくらい厄介ですよね。けなげな黄色の花を咲かせ河川敷などに群生する様子は一瞬きれいと思ってしまいます。花粉アレルギーで難儀されている人もいますが、草花図鑑を調べてみるとそもそも虫媒花(昆虫を媒介して受粉を行う花)で花粉を飛ばすことがないとのこと。よく似た野草のブタクサが原因のようです。ブタクサも黄色の花が咲き一見間違えてしまいますね。
先日、馬下地区のお茶の間サロンにおじゃまさせていただきました。集会場の軒先に一見ブドウと思わせる白桃色の花の野草が咲いていましたが、聞くところこれはヤマゴボウで全草が有毒とのこと。これも調べてみると葉、茎、根に毒素があり、食べると中毒を起こしてしまうようです。一方で、その根には漢方の生薬成分もあって使い方によって毒にも薬にもなるようです。なお、この集会場では除草するそうです。
私はこのコラムを書くようになって、市民のみなさまから文章の才があるとか得意だとかいわれますが、全くそんなことはなく、私が日々「感じる、考える、知る」サイクルの集積、頭に残ったことを、さらに考えて文章にしているだけなのです。ところで毎週月曜日昼12時半からFM新潟の「五泉に決めよう、ひゃんでいい町」は一昨年秋開始からまもなく100回を越えます。このコラム同様にご愛顧いただきますようお願いします。
vol.27 「青息吐息 畑づくりに挑戦」(令和6年7月10日)
みなさま、こんにちは。このところの異常気象が常識化され、今年は梅雨がないのではないかと思っていた矢先、梅雨の時節が訪れましたね。冬の鉛色の空は新潟の季語にぴったりですが、梅雨の空、降雨でなくても今にも降り出しそうなじめじめとしたうっとうしい天気には閉口します。とはいえ自然の大地を潤す雨は貴重ですね。一方で、時に梅雨前線の蛇行は日本のどこかで大雨や線状降水帯を発生させ、豪雨となり災害を引き起こしています。気象をコントロールすること、雨が降ってほしいときは雨が降る、晴れてほしいときは晴れる、人間の意思どおりになることは未来においてもかなわぬことなのでしょうか。人の気持ちも時としてままなりませんが(苦笑)。
さて、私は今年、一念発起して実家の畑づくりに挑戦しました。父が病気療養のため実家におらず、家庭用耕運機をはじめ畑道具の一式が車庫に眠っていて、このまま使わずにいては惜しい気持ちと、多忙な時間の中で何かうまく時間をコントロールして熱中してみたいという思いで畑づくりを春先から始めた次第です。生まれてこの方、畑づくりをしたことがなかったため、近所の人や地元の後輩から助言や協力を得て、じゃがいも、ミニトマト、ブロッコリーなど何とか収穫をすることができました。特にじゃがいもは助言に忠実に、自分自身で種芋を3等分に切って灰をつけ、等間隔に植え、その間には肥料を入れ、いつ芽が出るんだろうと待つ楽しみと心配の気持ちでした。毎日は畑の管理ができず、近所の人たちから水やりをしていただき感謝につきません。草取りも全くできず、野菜の成長を雑草が追い越し、収穫前の畑は一面雑草に覆われました。とはいえ雑草にも負けず梅雨にも負けず、じゃがいも掘りを行い、大きさや形もまちまちでしたが、たくさん収穫ができました。喜怒哀楽、大汗と涙の畑づくりで反省することも多々あり来季に期したいと思います。
みなさま、これから本格的な夏の到来です。十分な体調管理のもとご自愛ください。
vol.26 「五泉の輪を広げよう!」(令和6年6月10日)
みなさま、こんにちは。花のまち五泉の大トリを飾るしゃくやくは見事な大輪を咲かせ躍動を感じさせてくれました。6月に入り梅雨のはしりを思わせる天気のもと、北五泉駅付近の線路沿道、丸田の森林公園はじめ民家の軒先などで咲き誇るあじさいの開花が待ち遠しく思います。我が家にもあじさいがありますが、「はて?」何色だったかと思案し、紫、いや赤系だったかと思いをはせ、じめじめしたうっとうしい梅雨を少しでも楽しもうと考えております。みなさまはこの梅雨をいかがお過ごしになりますでしょうか。
さて、先月、東京へ出張に行ってきました。長年の首都圏暮らしや前職が営業マンだったため、東京出張はかなり入れ込んだ行程を組みますが、今回の出張は驚きばかり。まず、観光イベントで交流をもつ東京都江東区長を表敬しました。五泉産農林産物、大災害時の避難者受入れ、若年層交流など、さまざまな可能性ある取り組みを今後考えていくことになり、最後に臨席の区議会議員から江東区亀戸に五泉出身者が店を営んでいるという話で連絡を取ってみたところ、暮坪出身で私と同い年でした。翌日には、霞が関の国土交通省へ訪問の際に受付で「五泉市ですか」と言われ「五泉を知っているんですか」と聞いたところ、その人は下町歩出身とのこと。さらにその夕方、新橋駅烏森で知人が目の前の看板を指さして、そこの小料理屋の経営は村松出身の人だと。電話してみるとそのとおりで、5人くらいが入る店でその日は8人の会だったため残念ながら断念しました。また、先日、富山市で北信越市長会があり、帰途、昼ご飯に富山ブラックラーメンを食べようと、五泉で富山ブラックラーメン店を営む店主からの推薦で富山県射水市のラーメン店へ行きました。そこの店主らと入店した理由を話していたところ、近所に五泉出身者の喫茶店があると聞き行ってみると、なんと女将さんは東本町出身でした。この短期間に県外で五泉出身の人たちにお会いできたことにびっくりする以上に、さまざまな地で活躍されていることに敬意を表します。五泉出身者やゆかりのある人たちとさらに輪を広げ五泉応援団や五泉ファンを増やしていきたいと思います。
vol.25 五泉に注目!(令和6年5月10日)
みなさま、こんにちは。この大型連休はお天気がよくて農作業、行楽、スポーツはじめ身体を動かすにも気持ちがよかったですね。ちょうど東公園のぼたん百種展示園のぼたんが満開となり、市内外から大勢のみなさまが訪れ、色とりどりの大輪の花を全方向から鑑賞し写真を撮られたり、スケッチをされたり思い思いに楽しまれていました。全国でも屈指のぼたんのまち五泉、後世へも花咲くぼたん園をつなげるべく、本年度より温故知新をもって改修計画を練っていきます。
さて先日、東京六大学野球の観戦に明治神宮野球場へ行ってきました。実は五泉市は東京六大学応援部の夏の合宿地のメッカになりつつあり、なんと今夏は東京大学が合宿を行うことになっています。慶応の「若き血」や早稲田の「紺碧の空」は体育祭などで替え歌として応援歌になっている学校がありますが、東大の応援歌や応援コールは全く知りません。東大の応援部主将に五泉に決定していただいたことにお礼を申し上げ応援席へ。栄光の学府・東京大学ですからアカデミックな真面目で硬派な応援スタイルかと思いきや、チアリーダーズや吹奏楽団が飛び跳ねたり「本当に東大応援部?」とびっくりしました。さすがに主将の「学生注目!」の掛け声はなかなか含蓄があり笑いがありました。今夏に開催予定の東大応援部合宿の市民向け成果発表会は注目ですよ。なお、応援した試合は、わが母校早稲田に大差の完封負け、向かいの応援席で得点のたびに「紺碧の空」が歌われ複雑な思いでした。
連休中には市内の各所で祭りがありましたね。松城祭・村松藩巡行絵巻行列では江戸時代にタイムスリップした華やかさと勇壮さを感じさせてくれました。今年は市内で勤務するベトナム、インドネシアはじめ外国籍のみなさまも参加され地域の国際交流の場として有意義でした。私は今年も家老役で馬に乗って練り歩きましたが、自身が肥えた分、甲冑の更衣にお手伝いをいただいたみなさまや馬にお詫びとお礼を申し上げます。
vol.24 春・新年度始まりました!(令和6年4月10日)
みなさま、こんにちは。待ち遠しかった春が訪れました。前月3月は積雪になりませんでしたが朝起きると外は一面雪景色や日中、厚手のコートやマフラーが手放せなかったりと寒の戻りでしたね。年度末・始めと会合が多い中、食生活を気にする今日この頃。スーパーマーケットへ行き、野菜や納豆などを買い込みますが、キャベツは例年に比べ小ぶり。聞けば生産地での気温の低下がキャベツの生育を止めたようです。自然の摂理とはいえ気象の影響は否めませんね。これから春キャベツが出回る時季、私は好きなドレッシングでサラダを食すのが一番ですが、まだ寒い日もありロールキャベツに挑戦しようかと思っています。みなさまのお好みのキャベツ料理は何でしょうか? また、最近、物珍しさと比較的手頃な値段のロメインレタスにはまっています。生でも炒めても容易に食すことができるので野菜不足を補うにはちょうどいい感じです。
さて、この時季、花のまち五泉の色とりどりの花の開花にあわせたように、進学や就職で新入生・新入社員など初々しい姿が見られてうれしいですね。市内の小・中学校の入学式に伺いましたが、健気な1年生の入場に思わず大きな拍手を送ってしまいました。また、春の交通安全運動の啓発で私も通学路に立ち子どもたちの安全を見守りましたが、五泉市交通安全協会、五泉市交通安全市民の会から送られた黄色いランドセルカバーをした子どもたちはかわいらしくて安全に通学してほしいと願うばかり。通学路のあちこちで毎日、地域のみなさまが子どもたちへ声をかけ、安全通行を見守ってくださり感謝にたえません。通学路などを走行するドライバーのみなさま、細心の注意をもって安全運転でお願いします。
年始め元日もそうですが4月、新年度の始めも身が引き締まります。1日に市職員の訓示でも申しましたが、常に自身のアンテナを高くもち、固定概念で錆つくことなく感度のよいアンテナで市民のみなさまのニーズや声を収集し、新しい着想と発想を情熱をもって『チーム五泉市役所』で取り組んでまいります。どうぞよろしくお願いし
ます。
vol.23 健康で笑顔が一番!(令和6年3月10日)
みなさま、こんにちは。弥生3月、春の到来です。2月の天気状況では昨年同様に早い春の訪れかと春待ちの逸る気持ちでしたが、日本の南岸を通る低気圧により日本有数の観光地の箱根や軽井沢などは積雪となり、大陸の寒気団の南下もあり当地でも雪景色になりましたね。先日、戸倉や大蔵に行ってきましたが、この冬は一度も雪下ろしをしなかったとお住いのみなさまが安堵されていました。ここ数年の少雪や短時間での降雨降雪、昨年夏の記録的な猛暑など異常気象は常態化してきました。日進月歩の最新の技術やITを駆使しても私たちは自然現象、ときに自然の脅威に対し抗うことができず制御もかないません。年初め元日の能登半島地震の影響はいまだ市民のみなさまの生活や心に影響を及ぼしています。自然への畏怖とともに今までの災害や苦難で得た教訓、対応力、防衛力を自助、共助、公助において他人ごとではなく自分ごととして考えてみることが大事だと思います。
さて、日頃より市民のみなさまへ健康で笑顔が一番と啓発し、市長こそ健康第一だといわれていましたが、年に数度の副鼻腔炎の悪化で不調となり禁酒を余儀なくされました。自分なりに健康には気を付けてきましたが、自身の意思とは反比例して不健康が続いていたのだと思いました。先日、自身の心身のために何がいいかなと思ったときに温泉で癒すかと思い立ち、急遽、咲花温泉に投宿しました。五泉に住んでいてなかなか市内の温泉宿に泊まることはありませんでしたが、聞けば咲
花温泉は今年、開湯70年とのこと。心身とも温まる硫黄泉の泉質や外気温によってエメラルドグリーン、乳白色などに変化するのが特長で、近場でも癒される温泉ですので宿泊されてゆっくりするのもよいですね。
このたびの施政方針では冒頭のページのとおり5本の柱を打ち出しました。健康は市民のみなさまの一番の関心事であり、健康で笑顔で過ごせることが一番の幸せであり願いでもあります。市民のすべてのみなさまが健康で笑顔でお過ごしいただけるように着実に取り組んでまいります。
vol.22 わが町忠犬タマ公に思う(令和6年2月10日)
みなさま、こんにちは。年初め元日の能登半島地震の爪あとは、石川県のみならず新潟市西区の液状化による惨状など、わが五泉市でも赤海、寺沢はじめ市内随所で被害が発生しています。被災されましたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。また、市独自の緊急対策を講じ、地震により損傷した住宅などの修繕を行う市民の負担軽減のための支援を行っておりますので、ご活用ください。
さて、市民の大多数のみなさまが知っていると思いますが、忠犬タマ公のお話。いやいや忠犬といえばハチ公のお話じゃないかという人もおられるかもしれません。忠犬ハチ公は東京の渋谷駅舞台とした有名なお話で、昨年ハチ公が亡くなって100周年となり記念式典が行われた模様は、テレビなどでご覧になった人もおられるでしょう。わが町の忠犬タマ公のお話は越後柴犬が猟犬として雪山で起きた救出劇で、ちょうど90年前の2月5日の出来事。その2年後、またしても雪崩が発生しタマ公が命をかけて救出した出来事で2回もの美談、偉業はわが町の宝といえます。
この偉業を後世に伝えるため、地元の有志が「忠犬タマ公委員会」を立ち上げ、五泉の子どもたちへ、諦めない心、命の尊さ、人と動物の絆、他者への思いやりをこの逸話を通じて語り継ぐ活動を行っています。
忠犬タマ公をたたえた銅像は、市内では愛宕小学校やラポルテ五泉など市内外に建立されているほか、この委員会をバックアップする新潟のクリエイター集団が新潟市古町6番町に木彫のタマ公などのタマ公アートを展開し、五泉市民のみならず多くのみなさまへ忠犬タマ公の功績を印象づけています。今年は1回目の美談から90年、あらためて忠犬タマ公に思いをはせます。
前号でも書きましたが今年はいろいろな意味で節目の年。新潟地震から60年、中越地震から20年そして元日の地震。自然の脅威は私たちの力では制御できませんが、経験から学んだ教訓や対応力を活かす一年かもしれません。
vol.21「里芋の株のように!」(令和5年12月10日)
みなさま、こんにちは。お元気ですね。今年は五泉の花シリーズの春、熱中症警戒アラートが続いた夏、異常気象という言葉で締めくくってはいけない一年だったと思います。今年のような異常高温が続くと地球温暖化が加速し高温が常態化するのではないかと懸念します。
先日、中東ドバイで開催された国連気候変動枠組条約第28回締約国会議、いわゆるCOP28で地球温暖化の原因である二酸化炭素排出を全世界的に減らす取り組みが展開されることを歓迎するとともに、私たち市民レベルでの取り組みは、日々ちょっとした知恵や工夫が大切だと実感します。すっかりクールビズは世の中に浸透、定着しましたが、ウォームビズもこの冬から市民レベルの取り組みとして国や県で推奨をしています。当市でも今月から市役所職員が実践します。私もウォームビズにふさわしい身体も心も温まる五泉ニットのカーディガンなどを着用します。これ以上の地球温暖化にならないように私たちはもちろん、全人類の英知を結集するときが今なんです。
ところで今夏の高温にたえ農家のみなさまが手塩にかけて育てた五泉の名産、里芋。その株は親、子、孫の芋と実のつく様相は自然の織りなす芸術品ですね。五泉を代表する農産物が生産者の努力によって異常気象に打ち勝ち、親、子、孫と広がる、子孫繁栄の里芋の株を、このたび岸田総理大臣へ総理官邸で贈呈してきました。現在、少子化は我が国の社会経済全体に関わる先送りのできない「待ったなしの課題」として、こども・子育て政策を推し進めているところでありますが、五泉の里芋の株のように力強く大胆に政策を推進してほしいことも含め、岸田総理へお話しさせていただきました。その模様の写真などは次号で紹介させていただきます。
今年も残すところわずかになりました。来たる新年、市民のみなさまがさらにお元気で笑顔でお過ごしいただけるように全力投球、身を粉にして取り組んでまいります。それではよいお年をお迎えください。
vol.20「晩秋の山々の絨毯 山が燃える」(令和5年11月10日)
みなさま、こんにちは。深まりゆく秋、十人十色それぞれどのような秋を感じお楽しみいただいておりますでしょうか。市役所前の通りのイチョウが黄色に染まり、通りの傍らでその見事な美しさに圧巻しただ佇んでいる私でありますが、イチョウの黄葉にもののあわれを感じています。私が帰郷し五泉に性根を据えて丸2年が経過し、ちょうどこれからの晩秋の菅名、川内、白山の山々の紅の絨毯は自然が織りなす芸術だと思います。春の新緑の絨毯も目を見張りますがこの紅の絨毯、特に夕陽を受けた山々はまさに山が燃える光景ですね。先日、五泉西山三山の高立山に登ってきました。高立山の山頂から夕陽を背にして菅名岳、大蔵山の山々が紅に染まる絨毯はこの世のものとは思えません。あの山が燃え上がるような光景に、情熱というか躍動を感じるのは私だけでしょうか。
さて、先日、五泉の自然の豊かさの中、収穫の喜びと感謝の気持ちを込めて生産者、各農業関係者・団体などが一堂に集い、晴天のもと五泉、村松の2会場で「農業まつり」が開催されました。農産物、加工品を通して市民=消費者のみなさまとの交流を深め、活力ある農業振興を図る目的で長年行われています。五泉会場では里芋、れんこん、長ねぎ、キウイフルーツほか、村松では栗、ぎんなん、めだか、おこわほか、それぞれの地域の特長ある逸品が販売されていました。物価高騰は野菜類に及んでいますがこの農業まつりでは生産者のみなさまの心意気でかなり勉強した価格で提供いただき、あっという間に売り切れとなっていました。地産地消という言葉がありますが私は地消地産の農業になっていくと感じます。消費者のニーズを汲み取り安定した食の供給を図っていくことは大きなテーマですが官民あげて考えてみたいと思います。
vol.19「心をくすぐるおもてなし」(令和5年10月10日)
みなさま、こんにちは。朝晩すっかり冷えてきましたね。つい1カ月前、またこの夏の異常な暑さを思い出してみると今の寒暖がちょうどいいような気がします。天気図の上では、太平洋高気圧から大陸の移動性高気圧にかわり、秋晴れの爽快さはとても気持ちがいいですね。秋は芸術の秋、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋などいろいろな活動が図られ欲望を充たされる季節ですので、おのおの自分なりの秋を満喫していただければ幸いです。みなさまはどんな秋を思い抱いていますでしょうか。
さて、先月は敬老の日、シルバーウィークもあり、市では3日間で計5回の敬老会をラポルテ五泉にて開催しました。初めてラポルテ五泉で行われ、会場となる多目的ホールの入り口には市内の保育園などの園児がおじいちゃん、おばあちゃんの笑顔を思い思いに描いてくれたボードを掲出しました。たくさんのおじいちゃん、おばあちゃんがお見えになりましたが、中には孫が描いた絵を見つけて一緒に写真を撮っていた人や、似顔絵に目を細め孫の成長に対し涙ぐんでいる人もおられました。私はお祝いごとなので五泉織物工業協同組合から拝借した羽織を着ておもてなし。また副市長、教育長の三人で会場前にてお迎えとお見送りでお声がけをさせていただきました。式典は漫談や落語のアトラクションを含めおよそ1時間程度でしたが「初めてラポルテにきたけどいいところだね」「楽しかったよ」「来年も長生きして来るね」と声が多く好評だったと思慮しています。
私のモットーの一つに「心をくすぐるおもてなし」があります。前職のホテルマンの時代から今に至っても実践をしていることです。くすぐるというのは大それたことや所作でなく、ほんのちょっとのことを施すことが大事で、誰でもできることだと思っています。敬老会の閉会のあいさつで、このまま終わるのも平凡と思い急遽、敬老を祝し長寿を願う万歳三唱を全員で行いました。その際にみなさまが見せた満面の笑顔をいまだ忘れることができません。笑顔でおじいちゃん、おばあちゃんの心をくすぐることができたかなと思っています。これから秋が深まるとともに寒暖の著しい日もでてきます。どうぞ健康にお気をつけて秋をお楽しみください。
vol.18「暑さに負けてたまるか!」(令和5年9月10日)
みなさま、こんにちは。昨今の異常気象とはいえ、今夏の記録的な猛暑は身体や生活に多大な影響を及ぼしています。みなさま、体調はいかがでしょうか。7月後半に梅雨が明け、7月25日以来ほぼ毎日、熱中症に関する注意情報(熱中症警戒アラート)が発令されておりますが、引き続き十分ご注意いただきますようお願いします。
先般、早出川ダムの渇水状況がテレビなどで連日報道され、全国ニュースでも放映され「新潟県五泉市早出川ダム」とテロップが流れました。その反響は大きく、私のもとには全国から心配や励ましの電話、メールがたくさん寄せられました。改めてメディアの影響は大きく、報道された内容が渇水というマイナスなイメージだったものの、『五泉=ごせん』と読まれ、「五泉市ってどこなんだろう」とインターネットで検索された人が多かったようです。首都圏在住の五泉ファンから「大手スーパーマーケットのお米コーナーにあった新潟村松産米10袋をすべて買って五泉を応援します」や、「ニュースを見て、ふるさと納税を活用して里芋を予約しました」などと、早速五泉を応援いただき感謝に堪えません。実は私の手元にミネラルウォーター1箱が送られてきました。渇水で飲料水も不足しているだろうと思い送ってくださったようです。清流の里五泉のおいしい水は渇水と関係なく豊富の旨を伝え、五泉の水のペットボトル1箱を返礼しました。
この夏の酷暑に負けず劣らず、五泉にスポーツ合宿に訪れた学生のみなさまには頭が下がります。首都圏の高校、大学野球部をはじめ大学バドミントン同好会ほか、何といっても東京六大学である立教大学体育会応援団の合宿での練習シーンは、酷暑以上の熱気がありました。咲花温泉に投宿しブラスバンドやチアリーディング、学生服姿のバリバリの応援団が市内各所で練習し、その成果発表会が市民向けに行われました。詰めかけた大勢の市民が若い学生から熱気と活力をもらい受け、「暑さに負けてたまるか」と勇んで会場を後にする姿に、私も奮い立ちました。いっそう元気を出してやってまいります!
vol.17 「心より暑中お見舞い申し上げます」(令和5年8月10日)
みなさま、こんにちは。うだるような暑さが続いていますが、ご体調はいかがでしょうか。連日、朝に市から防災行政無線やあんしんメールなどで、熱中症に関する注意情報、いわゆる熱中症警戒アラートが出されています。市民のみなさんにはこまめな水分・塩分補給、温度調整を心掛けていただくとともに、これから秋の実りや収穫に向けてまさに今が正念場である農作物への水管理など、十分ご注意ください。私は先日、出張先で熱中症になり、その後の予定をキャンセルしてホテルで臥してしまいました。自分の身体・健康は自分自身がよく分かっていると高をくくっていた反動が、このざまかと猛省しています。何に対しても無理は禁物ですね。
さて、時間があると読書に耽りますが、「近き者が悦べば遠き者が来る」という中国思想家の孔子の言葉を目にしてはっとしました。これは地方創生を意味しているのではないかと思いました。この言葉の解説を読むと、住民自身がそれぞれの地域に自信を持って自分の地域の素晴らしさを語ることこそ、他の地域から人が訪れるとありました。意訳すれば住民自身がそれぞれの地域に誇りを持たない限り、交流や移住・定住の促進はおぼつかなく、その地域を訪れた人に対して住民が胸を張って地域の良さを訴求することが地方創生の始まりだと思いました。住み慣れた地域の良さはその地域に住むみなさんにしか分かりませんし、何も飾らず素直に地域を語ることこそ、訪れる人、また訪れようとする人から共感を得られるのでしょう。五泉弁、村松弁丸出しでもいいと思います。私たちの故郷に自信を持とうではありませんか。
今回の広報ごせんの紙面では、夏季休暇やお盆休みで五泉の実家に帰省されていたり、レジャーや旅で五泉を訪れていたりするみなさんに向けて、五泉の良さや魅力を感じ、五泉で暮らす・五泉とつながるきっかけになっていただきたいと、巻頭3ページの特集を組みました。ぜひ、多くのみなさんの目に触れて、お役に立ちますことを願っています。
vol.16 「願いをこめて七夕に想う」(令和5年7月10日)
みなさま、こんにちは。梅雨特有のじめじめした雨模様であったり、時に物音をかき消すような大雨になったり、また真夏のような太陽がギラギラと照り猛暑となったりと、天気によって体調管理のため、こまめな水分・塩分摂取や適度な空調使用などに気を使う毎日ですが、お元気でお過ごしでしょうか。梅雨は毎年訪れるとはいえ、地球温暖化や世界的な気象の変化の影響もあって毎年様相が変わっていますね。ことに近年はそう感じます。ぜひ自分自身に細心の注意を払っていただき、何か異常やおかしいと感じる時は我慢せず周囲に声を発していただければと思います。
ところで市内の神社の七夕風鈴祭☆天の川巡りに行ってきました。ちょうど梅雨の晴れ間の涼風に風鈴の音が高らかに鳴り、その音色が私の心の雑念を払ってくれるようでした。風鈴は古くからその音は罪けがれを祓い心の眼を豊かにするといわれています。また七夕といえば短冊に願いを書く習慣ですね。私はみなさまへの日頃の感謝を込めて書かせていただきました。また素直な気持ちで願いを書くことが大事ですね。
このたび、市役所本庁舎1階の市民コーナーの段差をなくしバリアフリー化しました。今年度の市政重要テーマの一つ「市民と行政のコミュニケーション活性化」事業として実施。先日、そのオープニングイベントを近隣の保育園児や障がい者団体をはじめ有志の市民のみなさまとともに行いました。七夕とあって笹竹を飾り、子どもたちから素直な願いを思い思いに短冊へ書いてもらい笹に留めました。年中行事としてこの七夕以外でも願う場面が多くあるわけですが、特に七夕はロマンがあって自身の願い事に力が入るような気がします。天の川を挟んだ彦星と織姫が年に一度逢えるというセンチメンタルないわれは、子どもの心はもちろんのこと、現実をわかり過ぎている大人の心をも久しくくすぐっていると思います。これから夜空にはこと座のベガ(織姫)、わし座のアルタイル(彦星)そしてはくちょう座のデネブと夏の大三角が見られ天空に想いをはせます。さてみなさまは七夕にどのような願いをこめましたでしょうか。
vol.15 「花のまちごせんで感じた二つの究極」(令和5年6月10日)
みなさま、こんにちは。今年も早いもので半年が過ぎようとしていますね。花のまち五泉の花シリーズは例年にない温暖な春の陽気によって水芭蕉、桜、チューリップ、ぼたん、しゃくやくとあっという間に咲きだし咲き終わり、長く愛でることがかないませんでした。最悪の究極は5月に新潟市で開催された国際会議、G7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議の視察旅行に参加した世界の要人へ、東公園ぼたん百種展示園一円の色とりどりに咲く大輪のぼたんをお見せすることができなかったことです。昨年来、G7新潟という世界へ花のまち五泉を発信する絶好のチャンスと捉え、関係機関へ視察旅行を提案。念願かない新潟県内では数件のコースの一つに選定されましたが、さすがにぼたんの開花をコントロールすることはできませんでした。例年であれば間違いなく一番の見ごろなんですが…。好機が逆境に変わりましたが、ここから五泉のおもてなし大作戦は始まりました。広報ごせん5月25日号のまちの話題で取り上げられ、よくぞ作戦成功という感じですが、園内には想定された満開のぼたんでなく三輪ほどのぼたんに少しだけ咲き始めたしゃくやくがあるだけ。花を補うために村松伝統の勇壮なのぼり旗や雷太鼓保存会の和太鼓を市民の有志が演奏し、外国人に日本を想起してもらう演出を施しました。成功の究極は近隣の保育園児、小学生はじめ日赤五泉地区ボランティアほか大勢の市民が満面の笑顔と声で歓待したことです。私はこの要人をずっとマンツーマンで接遇していましたが、随所に市民が手をふったり片言の英語であいさつしたり、その都度この要人は立ち止まり笑顔で応えられていました。久しぶりに鳥肌がたった貴重な経験を市民のみなさまとともに感じ得ました。おもてなしいただきました市民のみなさまへ心から感謝します。
感動することはこの上ないこと、しかし、私は数年間大切に大事にしていたもの・ことを失い、年甲斐なく心の真ん中にぽかっと穴があいた思いをしてしまいました。身から出た錆というか自分の至らなさが自身に惨めさを招く結果になりました。「究極」とは結果がでてから評価を形容する言葉ですね。じめじめする季節となりますが心はいつも晴れやかにいきたいところです。
vol.14 「山笑う、田畑も笑い そして人も笑う」(令和5年5月10日)
みなさま、こんにちは。春の陽気が山肌をかけ足で上昇し、新緑のじゅうたんが敷き詰められていく様相は感動に値します。霊峰白山の残雪が日ごとに消え、新緑によって山の植生界が広がるさまは初夏の風物詩ですね。俳句の季語で「山笑う」とあります。春の芽吹き始めた華やかな山の形容で、まさに五泉の山々が笑い、また田んぼや畑に苗が植えられ、作物の生育とともに田畑も笑ってきますね。
過日、市の初めての取り組みとして地元の化粧品販売店のボランティアのみなさまの協力で、高齢者向けのメイク体験会をラポルテ五泉にて開催しました。新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、マスクが常態化し、口紅などメイクを控え気味であったと思います。メイクで持てる美しさをさらに美しく、コロナを払拭した笑顔を取り戻してほしいと願い、この企画を実施しました。13人の参加があり何十年ぶりのメイクに「久々に女性の喜びや心がときめいた」などの感想をいただき大変好評でした。山や田畑が笑いそして人も笑う時節、大いに笑いましょう。
さて、新型コロナウイルスの取り扱いがこのたび季節性インフルエンザと同等の5類対応となり、感染防止に留意しつつ従来の日常生活に戻っていくことと思います。コロナ禍では対面でのコミュニケーションが制限された一方で、オンラインによる会議やメール、SNSなどコミュニケーションが多様化しました。私はLINEを使いますが、文字でのやりとりがゆえに行間を読む、相手の心情や真意を汲むことの難しさを改めて感じました。顔や声であれば表情や声のトーンで相手の気持ちを汲むことができますが、文字やショートメッセージでは十分にコミュニケーションが図れないことが時としてあります。人は喜怒哀楽があって当然ですが、常に相手の立場になって考え、思いを抱ける人になれるよう努めていきたいと思います。
vol.13 「令和5年度、新年度がスタート!」(令和5年4月10日)
みなさま、こんにちは。今年の春の訪れは穏やかな天候が続いたこともあって例年より早く感じましたね。梅の花が咲いたと思ったら、燕が舞い戻るのと同じくらいに桜のつぼみが赤みを増し、あれよあれよの間に咲きました。村松さくらアリーナ前の桜の希少品種、穂先彼岸八重桜が一番早く咲き始め、「日本さくら名所100選」の村松公園はテレビで生中継されるお花見どころですが、粟島公園や太田1丁目から旭町にかけて下条江用水沿いの桜も見事です。私も随分、散歩や自転車で市内を巡り美しく見ごたえのある桜の名所を見つけているつもりですが、みなさまの近所でも桜の名所があろうかと思います。ぜひ「おらが桜の名所」を教えていただければ幸いです。
俳人・正岡子規もその意を俳句に詠んだと言われる「球春到来」という言葉があるように、野球シーズンのスタートを表現しますが、野球をはじめ屋外スポーツたけなわです。今月初め、総合会館多目的・野球練習場が従来の土間から人工芝化されたとともに、蛍光灯からLEDライトに交換。明るく絶好の室内練習場としてリニューアルされ、市民のみなさまの利用が始まりました。冬季の降雪や雨天では屋外でのスポーツ活動ができず、また硬い土間では膝や足に相当な負担をかけているため改善を図りました。このような背景でリニューアルイベントとして五泉にちなみ5,000cmつまり50m走の記録会を小中学生や親子などを募り開催しました。私も参加しましたが少年時代を思い出し気合を入れて伊藤教育長とともにイベントの試走者としてスタートラインにつきました。準備体操を兼ねて早朝散歩は論瀬新田、高山、一本杉を歩き、試走前には屈伸運動などを行いましたが、スタートし20m過ぎ、カール・ルイスばりに腕をふり、腿をあげ加速すると思いきや、左腿の裏がプツンと音をたて転倒、そのあとは悲惨で、近くの整骨院へお世話になってしまいました。みなさま、スポーツする前は準備運動を余念なく行いましょうね。新年度の始まりに「用意周到」この言葉を身をもって体得しました。
vol.12「弥生3月 春到来!」(令和5年3月10日)
みなさま、こんにちは。弥生3月、弥は「いや」でいよいよ、生は「おい」で生い茂るの意味で、まさに草木が芽吹き始める月です。また、この時季によく聞く「三寒四温」は、気象学で言えば晴れや温暖をもたらす”移動性高気圧”と、雪雨や寒気をもたらす”低気圧”が、交互に日本列島を通り過ぎていく現象ですが、私たちが春を肌身で感じる季語でもありますね。地球温暖化で、考えられないような異常気象が頻発する今日この頃、今までの季語が「一寒六温」や「五寒二温」に変わるようなことが将来にあり得るなど想像したくありませんが、今までの概念や常識が少しずつ変化しているような気がします。
長引く新型コロナウイルス感染症の影響は、個人の行動や価値観などをはじめ、社会に大きな変化をもたらしました。これからの時代、変化にあらがうより、その変化に順応し、新しい営みを目指していくことが大事であると思います。私は「温故知新」という言葉を座右の銘としていますが、次年度は「温故創新」と変えて新しい着想と発想で市政に取り組んでまいります。
さて先日、地域の伝統文化の一つ、大蔵の神楽を見てきました。当日は午前中まで小雨が降っていましたが、夜になるとやみ、雲の合間から月がのぞく穏やかな天気でした。以前は地域の多くの子どもたちが神楽を舞っていたそうですが、今は大蔵神楽保存会を中心に、地域の若手、中堅が担っていました。お宮へ神楽を奉納する前に集落センターで景気づけで舞い、お宮への道中、町内会長を先頭に「万歳、万歳」と発しながら、灯籠や社檀を担ぐ一行が進んで行きました。お宮では神主らが社で待ち受け、神殿に上がる前にひと舞いし、神殿ではいくつかもの演目が舞われました。「天狗」の演目では、二人のひょとこと天狗の掛け合いが、厳粛な立ち振る舞いの中、滑稽さをそそりとても楽しかったです。五泉には大蔵をはじめ中川新、羽下、大蒲原など地域の神楽が残っています。ぜひみなさまもお出かけください。春到来です。
vol.11「寒中お見舞い申し上げます!」(令和5年2月10日)
みなさま、こんにちは。暦の上では立春を過ぎてもうすぐ春ですね。
だいぶ古いといわれますがキャンディーズの歌を思い出し、口ずさんでしまいます。春は近いですがまだ厳しい冬のお天気、寒さが続きますので健康に十分気を付けてください。
地球温暖化といわれて久しく、少雪や時には豪雪と異常気象と感じる今日この頃です。過日の天気予報で10年に一度の寒波到来と聞き、小学生の頃、田んぼの雪が厳しい寒さで硬くなり「しみわたり」をしたことを思い出します。長靴の底に防寒ズボンのすそ先のゴムひもを回し、ところによってずぼっと雪にぬかることを想定しながら、道なき田んぼの上を思いきり走りましたね。雪が消えれば、畔や溝も構わず自由気ままに遠くへ向かったこともありました。
時折雲の間から太陽の光が差し込み田んぼ一面に反射しキラキラと輝く情景は、今でも鮮明に記憶しています。そう思うと今のように田んぼに白鳥の群れが餌をついばむ光景は当時の記憶にありませんね。
ところで、村松公園の桜のつぼみはまだ硬いですが、このたび村松公園の穂咲彼岸八重桜からお酒の醸造に使う酵母が採取されたと、市内酒造会社の社長から聞きました。その名も「村松さくら酵母」。お酒の製造には無くてはならない酵母のため、「地元の特産と自信をもって酒造りをしたい」と力強くお話されていました。
「日本さくら名所100選」の村松公園の桜が酵母という産物をもって発展し、卯年にふさわしく挑戦、飛躍で象徴される商品になるように大いに期待し応援したいと思います。
この「ごせん歳時記」としてコラムを連載するようになってまもなく1年になります。市民のみなさまから叱咤激励をいただきながらも、私の感受性をもって拙い文章にしております。時々ピントがずれていることもあろうかと思いますが、軽い気持ちでお読みいただければ幸いです。
「明日、将来に輝く五泉へ」(令和5年1月4日)
明けましておめでとうございます。
皆さまにおかれましては、輝かしい初春を迎えられましたことをお喜び申し上げます。本年は卯年、皆さまがうさぎのように飛躍できる一年となりますよう願っております。
私が市長として、明日そして将来に輝く五泉市のまちづくりを担わさせていただいてから、まもなく1年が経過しようとしております。皆さまからの「新しい五泉市」への期待感の大きさに重責を感じ、日々身が引き締まる思いであります。
就任以来、五泉市がより魅力的でさらに輝くまちとなるために、自らを五泉市のトップセールスマンとして取り組んでまいりました。これまで民間で培ったビジネス経験、ノウハウ、知見や人的ネットワークをフルに駆使して、「訪れてよし、住んでよし」の新潟県ナンバーワンのまちづくりにまい進してきたところであります。これにより「五泉」の知名度は向上している一方、年々人口減少の道をたどっているのが現状であります。
今後も、移住定住につながる交流人口、関係人口の拡大に向け、新しい着想と発想をもって活気あふれるまちづくりに力を尽くすとともに、子どもから高齢者まで切れ目のない施策の展開の実現に向け、いっそう努力してまいりますので、皆さまの変わらぬご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年が皆さまにとりまして、笑顔あふれる素晴らしい一年になりますよう、心より祈念いたします。
vol.10 「ゆく年 来る年!」(令和4年12月10日号)
みなさま、今年も残すところわずかとなりました。今年はどんな一年でしたか。
毎年恒例で今年話題になった新語・流行語大賞や一年の世相を漢字一字で表現する今年の漢字など、一年のしめくくりがニュースなどで報じられますが、私の今年を表現するなら「新」ですね。みなさまなら漢字一字をどう表現されますでしょうか。
ちょうどこの原稿を書き終えた頃、中東のカタールで行われているワールドカップサッカ―で日本が強豪スペインに勝利をおさめた時でした。ドイツに勝利した時もそうですが、もうドーハの奇跡などの表現でなく、日本代表は世界と互角に戦えるチームだと思います。二戦ともシュートを決めた堂安選手はじめ、海外のチームに所属し世界から集まる強者にもまれ、技術や身体面(フィジカル)精神面(メンタル)も強い選手が日本代表に何人もいて、国内組と切磋琢磨してチーム力を磨き、世界に負けないチームになったと私は思います。
私は市長に就任し来月で1年がたちます。今まで何十年も五泉に暮らしておりませんでしたが、いつも故郷五泉を愛し、いつか五泉のために自分のもてる知見、民間でのビジネス経験、市内外の人のネットワークを活かして、訪れてよし・住んでよしの新潟県一番の五泉市にするんだと決意し、今日に至っています。今までの考えにとらわれずに、いわば五泉の外から見た視点や手法を五泉の発展に活かすことこそ、新しい五泉への挑戦であると思っています。そういう意味でも、本号は市外県外にお住まいの方々向けに2ページを使い、「五泉へきなせや」の特集を組んでみました。
さて、私はこの1年、市民のみなさまから「新しい五泉」への期待感の大きさに重責を感じ、毎日、身が引き締まる思いでありますが、引き続き市民のみなさまの声を大事にして、さらに輝く五泉へ力強く取り組んでまいります。
コロナ禍ですべての市民のみなさまが窮屈をしいられた一年でありました。来年こそは兎のように一層の飛躍できる年になりますことを心より願っております。
ひと足早いですが、よいお年をお迎えくださいませ!
vol.9 「深まる秋、冬の足音」(令和4年11月10日号)
みなさま、こんにちは。めっきり朝晩の寒さが身体にこたえるようになりました。 みなさま、いかがお過ごしでしょうか。くれぐれも体調管理にお気をつけください。
冬の到来を告げる白鳥の群れが、V字編成を組み五泉の上空を旋回し方々の田んぼに降りたち、落穂などを盛んについばむ光景を市内で多々見受けます。先日、早朝散歩中、偶然にも早出川の水面に数羽の白鳥が戯れているのを発見。「白鳥の湖」ならぬ「白鳥の川」は紅葉に染まる白山をバックに風情があり、感動してしまいました。いつもの風景なのかもしれませんが、私には五泉新発見であり、私だけの心の光景でなく、みなさまにぜひ共有したい思いです。
先日、巣本地区の芸能祭に参加しました。創立150周年を迎えた巣本小学校の校長先生が率いるティーチャーズの合唱の場面で、壇上から声を掛けられ飛び入りしましたが、唱歌「もみじ」は日本の秋の光景を描いた名曲、と歌いながら心に染みて感動していました。私の歌声はティーチャーズの合唱にまったくふさわしくなかったですが。
深まるゆく秋に、あれもこれも叶う五泉の秋ですね。先月、3年振りに開催されたさといもまつりには早出川河川敷に約1,500人のお客さまがお越しになり、また先日の農業まつりでも村松、五泉の両会場とも大勢のお客さまで活気があふれていました。ウィズコロナといわれる時代に、コロナ感染防止を徹したうえで社会経済活動を活性化していく取り組みの中で、農、食、文化、芸能、音楽など人の交流を促すイベントを開催しています。また、県外へ出かけ「五泉の花外交」というべきチューリップの球根を東京都江東区や葛飾区などへ贈呈し、首都圏と五泉の交流を促進する動きも始めました。故郷五泉をこよなく愛し応援いただいている首都圏五泉応援団の会合も3年振りに開催。新たな企画で各地区の話題を各地区出身の市職員がビデオレターを作成し当日披露します。どんなものか大変楽しみです。まだまだ秋のイベントがいっぱいです。ぜひみなさまもご参加いただければ幸いです。
vol.8 「あれもこれも秋を楽しもう!」(令和4年10月10日号)
めっきり秋めき、市内を巡る中、立ち止まって、稲刈りを終えた田んぼに「ご苦労さま」とついつい言ってしまう自分自身に、これこそ秋の物の哀れを知る今日この頃であります。みなさまも秋を感じ、楽しまれていることと思います。
秋分の日が過ぎて徐々に夜の長さを感じていますが、虫の音をBGMに読書にふけっています。実家の押し入れを何十年ぶりに開けてみたところ、小学生の時の読書感想文が出てきました。古田足日(ふるたたるひ)作の「宿題ひきうけ株式会社」という本の感想文で、ほぼ巻末の解説から引用したであろう内容で稚拙でした。あらためて、五泉図書館で同じ本を借りて読みましたが、1970年代の作品とはいえ、子どもの目から見た大人の社会を想起するような内容で、今から思えば小学生であった私が読み解けるとは思えません。みなさまも子どもの頃や今まで出会った本を読み直してみると、違った理解や再発見ができると思います。
人は読書によって創造力や教養が磨かれるとか、知識や言葉が増えるとか、さまざまなことを得られますが、私は読書のひと時で心を穏やかにし、読み進めていくことで日常や仕事のヒントを得るような気がします。心豊かに読書の秋を満喫したいと思います。
文化の秋、ことに音楽の秋でもあります。先日、ラポルテ五泉でのいくつかのコンサートにおじゃまし、その音楽の素晴らしさに感動しました。ある映画評論家がテレビで映画放映される際に「いやぁ、映画って本当にいいものですね」と言うセリフはお茶の間で人気を博しましたが、音楽も同様に、「音楽って本当に素晴らしいものですね」と、いつもそう言いたくなります。これから開催される五泉市民音楽祭をはじめ、音楽を愛好される市民のみなさまのさまざまなジャンルの音楽に心酔したいと思います。
私こと、今月からFM新潟で毎週月曜日お昼に『五泉に決めよう!ひゃんでいいまち』を番組名に、私がトップセールスマンとして五泉の魅力を発信しています。恥ずかしい限りですが、どうぞみなさまお聞きいただければ幸いです!
「安倍晋三元総理大臣国葬に対する弔意について」(令和4年9月26日)
この度の安倍晋三元総理大臣のご逝去に謹んで哀悼の意を表すとともに、凶弾という蛮行は民主主義に対し暴力的な攻撃であり、強く非難するものであります。
9月27日の国葬への弔意は、過日の岸田文雄総理大臣の記者会見の中で、国民一人ひとりに弔意の表明を強制することはないと言及されました。また、民主主義の観点から市民一人ひとりの思いを尊重するため、市として特段の弔意を表しません。
長く総理大臣を務められた安倍元総理のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
五泉市長 田邊 正幸
vol.7 「虫のこえ」(令和4年9月10日号)
みなさま、こんにちは。猛暑の続いた夏が終わり、実りの秋の到来です。私は住民票を五泉に移してちょうど1年となりました。五泉の各地をマイ自転車で、また早朝散歩では毎日、コースを変えて巡り、私が引っ越す前に頭の中にあった情景と照らし合わせながら、新しい五泉の発見にいそしんでいます。五泉の東南西の山の緑の深さに感動し、ついついその場に立ち止まり、いろいろな空想をしています。
さて、秋の再発見として、りんりんと鳴く鈴虫の音色が市内随所で聴こえるのにはびっくりしました。昔は、近所の家で飼われている鈴虫の音色を、盗み聞きではないですが秋の風雅を感じていました。今まさに童謡唱歌「虫のこえ」を自然に聞くことができますね。だいぶ夜が涼しくなり、秋の夜長の最高のBGMになります。
冒頭に実りの秋と書きましたが、スポーツの秋、文化の秋、味覚の秋ほか、○○の秋といわれるくらい、秋は心身、五感をフルに活動する季節です。
実りの秋といえば、田んぼの稲刈りや名産品里芋の掘り起こしなど、農家でも年に一番、力を入れるとき。以前わが家の田植えの話を書きましたが、稲刈りの手伝いは苦い思い出ばかりです。わが家の規模の農家ではコンバインなぞ所有できず、バインダーとのこぎり鎌で刈り取り、藁で束ね、父と母から祖母へ、そして子どもたちへとはざ掛けをしたことを今でも覚えています。背中や腕など稲にふれたときのかゆさは尋常ではありませんでした。今ははざ場を見ることができませんが、蒲原平野の秋の風物詩であったと思います。
私事で恐縮ですが、母が亡くなり4年、父は健在でありますが米寿を過ぎ、やはり心身の衰えは顕著に見えます。敬老の日を間近にして、家族や年長者のみなさまを敬い、長寿を祝うとともに一層の健康を願っております。
ちょっとブレイク 「コロナ禍のこどもたちへ」(令和4年9月2日)
これほどまでコロナ感染拡大が長引くとは誰もが思っていませんでした。
コロナ感染拡大前であれば、マスクをつけずに授業や昼食やグループ活動などを行い、お友達の表情を見ながら気づかいや思いやりをもって、日々を送っていましたね。
今までできた行動が制限されている中、こどもたちの皆さんは先生、家族、地域の方々、そしてお友達と今できる最善を考え、工夫して努力している姿に、私は心から感謝と拍手を送ります。
明けない夜はない。暗い夜は必ず明けて朝日がのぼるように、必ず今までの日常が戻ってきます。
日頃の感染対策を徹底し、私たち大人たちとともにがんばってやっていきましょう。
コロナに負けないぞ!
vol.6 「残暑お見舞い申し上げます!」ーラジオ体操に思うー(令和4年8月10日号)
暑い日が続いておりますがお元気でお過ごしでしょうか。7月半ば以降からコロナの感染が急激に増加し、感染への懸念、また食料品、燃料代はじめ、あらゆる物の値段が上がり先々の生活に不安を感じている人も多いかと思います。私を含め市役所職員は市民のみなさまの声に耳を傾けてしっかりと対策を講じてまいる所存であります。
さて、夏休みとなると聞き耳を立ててしまうのは朝6時半からのラジオ体操。私が小学生の時分は近所の広場(私の住む町内では、通称ポンプ小屋)でラジオ体操の歌から第1、第2体操を眠い目をこすりながら元気よく励んでいたことを思い出します。面倒見のよい上級生がラジオをつけてくれるのですが時々、電波状態が悪くなるとピーとかパーとか奇音が鳴り、たたくと正常に戻るという所作には上級生の偉大さを感じていました。現在、久しぶりに小学生に交じってラジオ体操をしようとラジオの音がしないか耳をそば立て、子どもたちがラジオ体操カードを首にかけて歩いていないか見渡しながら日々の朝散歩をしています。
私の時分とは違い、小学生が少なくなったことや、このところコロナ感染急増もあって中止や期日を決めて実施するなど地域でだいぶ異なっています。あるところでは元気なお年寄りのみなさまと小学生がはつらつとラジオ体操をしている光景は初めてで新鮮に思いました。
私は子どもたちの手本であらねばと硬い体に鞭を打ち、特に第2体操では一段と気合を入れています。小学生の夏休みは残すところ約2週間、どこかのラジオ体操の会場でみなさまとご一緒できますことを願っています。
私の経験上、小・中学生の頃の夏休みは自分自身の成長において貴重なものだったと思います。いくぶん窮屈さはありますが、コロナの感染や熱中症防止に徹しながら、よい夏休みをお過ごしください。
「五泉市平和のつどい」開催あいさつ(令和4年8月9日)
77年前、原爆が広島と長崎の市民の上に落とされました。広島、長崎の多くの男女、子ども、お年寄りが爆火に焼かれ一瞬のうちに命を落としてしまいました。生き延びた人々も放射能による後遺症や健康被害に苦しめられ、原爆によって生涯にわたり悲痛さが残りました。 みなさんもテレビなどの映像をご覧になっているかと思いますが、広島と長崎の上空にきのこ雲が広がった日から4分の3世紀が経過し、いまだ核の脅威は続いています。
五泉市では、非核三原則、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」を遵守するとともに核兵器の廃絶と世界の平和への願いを込めて、平成18年1月1日に非核平和都市宣言をいたしました。
また、今は新型コロナウイルス感染症拡大により中学生のみなさんの派遣を見合わせておりますが、平成30年度から「広島平和記念式典派遣事業」として、8月6日に広島で開催の平和記念式典に中学生を派遣して、戦争の悲惨さとともに平和の尊さを肌で感じ、直接学ぶ機会としております。
さて、先ほど申し上げました通り、先の戦争から77年が経ちます。長い年月の経過に伴い、日本の社会の中で悲惨な戦争の記憶や関心が少しずつ薄れてきています。今日は戦争の激動の中、五泉から満州に渡り“生きる”一心で帰国されたご経験をもつ市内在住の酒井和美さまに戦争体験等について語らいをお願いいたしました。戦争体験者が年々減少していく中、ナマの声をお聞きできる貴重な機会であります。
戦争のむごさを決して風化させないためにも、戦争を知らない私たち世代が戦争の記憶を受け継ぎ語り継いでいくことが必要であると思います。ぜひ今日お聞きしたことを、ご家族やご友人などたくさんの方々にお伝えいただければ幸いです。また、会の後半に市内の各中学校の代表者からは平和宣言を朗読いただきます。次世代を担う子どもたちの平和への決意をお聞きください。
結びに「非核平和都市宣言五泉市」として世界の恒久平和を願い、核兵器のない世界の実現に向けた歩みを続けていくことをお誓い申し上げます。
vol.5「暑中お見舞い申しあげます!」(令和4年7月10日号)
みなさま、こんにちは。梅雨があっという間に終わり、暑い日が続いています。コロナ感染防止に最大限努める一方、熱中症にも十分ご注意ください。
さて、先日、地元橋田の後田川でホタルの舞を40数年ぶりに見ました。こんなに天然色が暗闇にさえるとは感動しました。事前に図鑑で調べ、曲線的に飛んで2秒~4秒間に1回強く光るのがゲンジボタル、直線的に飛んで、1秒に1回くらい弱く光るのがヘイケボタル、と頭に叩き込んで観察していましたが、見分けがつきません。折しもNHK大河ドラマの録画を忘れて、源氏(佐殿:すけどの)の一大事の予告が脳裏に浮かび、観察に集中を欠いたようでした。幻想的なホタルの光は、昔も今も変わりませんね。
ホタルの光を見ると、天体に夢馳せた小学生の頃をどうしても思い出してしまいます。南の方角、白山や粟ケ岳の上にオレンジ色に怪しく光る星アンタレスが、さそり座の中心で夏の星空を代表するシーン。私が小学生の頃、そのアンタレスに土星か木星が見かけ上、大接近するというニュースを耳にし、本町通りの時計屋さんの店頭に飾ってあった反射式望遠鏡が欲しいと駄々をこねましたが、両親からは高額だと猛反対。唯一、高校生の兄が賛成してくれて、私と兄で貯金と半年分のお小遣いを前借して買いました。
この望遠鏡で月をのぞいた時の感動は今で忘れません。月の表面の凸凹(クレーター)はこの世のものではないようで、私にとって衝撃的でした。さらにその感動的な月の表面に緑色の宇宙船?が飛来したときは戦慄が走りましたが、それは望遠鏡の中にホタルが入り込み、それを見た瞬間のことでした。
感動は老若男女、誰でもいつでもあります。五泉の豊かな自然や市民、家族のふれあいの中で必ず享受します。暑さに負けず、どうぞご自愛ください。
vol.4「入梅を迎えて」(令和4年6月10日号)
みなさま、こんにちは。
旧暦では水無月で、梅雨の季節となり一年でも一番の出水期でありますが、暦では水がない月。旧暦、つまり陰暦と陽暦(太陽暦)では時間差があります。私は前の職業で中国吉林省に赴任していたことがありますが、中国・中華圏でのお正月は毎年違っていました。1月中旬であったり2月に入ってからであったり、「春節」と呼ばれ、ちまたは大変はなやぎ、楽しい思い出があります。
さて、菅名・大蔵・白山など山々の雪はすっかり消え、まさに緑のじゅうたんが敷かれている山面は自然の美しさそのものです。視力の弱い私には眼鏡をとって遠くの山々の木々、自然などを見るのは視力回復のトレーニングになっています。
しかし、自然は時として想像を絶するほどのエネルギーを発し、私たちに脅威を与えることがあります。既にご承知と思いますが、気象庁が今月から積乱雲(よく言う入道雲)が直線状に並んで大雨を降らせ続ける気象現象の「線状降水帯」を予測し、半日から6時間前に予測情報を発表することになりました。雨雲の動きやアメダス(国内約1300カ所による降水量などの地域気象観測システム)のデータから予測するのですが、その情報をいかに私たちの防災につなげるかです。線状降水帯予測の警戒レベルによっては即時避難の措置もあり得るでしょう。
私は市民のみなさんが安全安心で過ごせるように、防災意識の向上とその環境整備に最大限努めてまいります。この広報ごせんを活用し、また地域、町内などへおじゃまし、防災啓発活動に取り組みます。
五泉は誰もが感じる水の豊かな所です。水の恵みに感謝し、畏怖をもって、出水に対する防災意識を改めてこの時季に喚起したいと思います。
vol.3「鯉のぼりに思うこと」(令和4年5月10日号)
みなさま、こんにちは。一年で一番良い季節がこの皐月、5月ではないでしょうか。
子どもの頃の思い出で、唱歌「鯉のぼり」を歌うたびに、たちばなかおるさんに憧れ、どんな人だろうかと思いをはせたものでした。ある時に人の名前ではないことを知り、自分自身の愚かさを反省しました。この唱歌の歌詞は、日頃あまり使われないフレーズが多いですが、心を高揚させるこの曲は、この時季になると自然と口ずさんでしまいます。子どもたちが 鯉のぼりの鯉のように、すくすくと寛大に育ってほしいと切に願います。
さて、5月の満月をフラワームーンというそうです。東の山瑞から出る大きな月に目を見張りますが、田植えを終えた水田に映る月も格別です。今年は16日がフラワームーンのようですので、思い思いのお月見をされてはいかがでしょうか。
田植えも皐月・5月の風物詩。これも子どもの頃の思い出で、田んぼに田植え定規という道具を転がして苗を植える印をつけ、子どもも含め家族総出で田植えに励んだことを、昨日のことのように思います。
今では時代に合わせて機械化が進み、歩行田植え機、そして乗用田植え機が主流。さらに作業の効率化や省力化などを図るために自動運転機能の田植え機も登場したと聞きます。農業をはじめ、いろいろな産業の分野でICT(情報通信技術)やロボットの開発が進んでいますが、その原理にあるのは、「温故知新」であると思っています。
過去から連綿と続く事柄をよく調査し、実証して得られた知見を活かして新しいしくみ、技術が生まれてきています。その繰り返しが未来へ続いていくのです。
私は久々に、五泉の空に高く泳ぎ、踊る鯉のぼりを見て童心に帰るりつつ、明日、そして未来へ思いを抱きます。
vol.2「エールを送ります!」(令和4年4月10日号)
みなさま、春の陽気になりました。
この号がみなさまのお手元に届いたころは、学校での入学式や会社の入社式も終わり、夢や希望をもって進んでおられることと思います。心より拍手をもってエールを送ります。
さて、市長に就任させていただき、久々に小・中学校の卒業式や入学式に臨席させていただきました。卒業式は私の大学の卒業式以来で、仕事にかまけて子どもの卒業式に一度も出席したことがないため(決して自慢でないですね)、日常にない新鮮さと緊張感に包まれました。
コロナ禍で卒業生、保護者、教職員の一部のみという制限された中での開催でしたが、それぞれの学校で卒業生の門出への祝福の気持ちでいっぱいでした。
ある学校での卒業生の答辞。感謝や巣立ちゆく思いを赤裸々に、そして意気揚々と話されていましたが、先生への感謝の言葉になった瞬間に感極まったのか涙声になり、こらえながらも立派に答辞を果たしたのは感動的でした。私はメガネ、マスク越しに涙があふれました。
コロナの影響は大人の社会のみならず子どもたちへの影響も大きく、学校生活での勉強や部活動などの制限に見舞われながらも、それ以上に成長できたのではないかと思いました。
ふと、中国の故事成語で「疾風に勁草(けいそう)を知る」(困難や試練に直面した時に初めてその人の節操の硬さや意思の強さを知る意味)を思い出しました。
厳しい状況は多々訪れるでしょう。時には涙することもあるかもしれません。成長のための新たな一歩を私は支えていきます。今年も五泉の桜はきれいに咲き始めますよ!
ちょっとブレイク(令和4年3月23日)
市民の皆さま、こんにちは。
ようよう春を迎え、よい季節になりました。「花のまち五泉」の開幕。
しかしながら、どこか心穏やかになれないのは、ロシアの軍事侵攻によるウクライナの惨禍には、遠い国のことであっても心が痛みます。
世界、人類の平和を希求するのは誰でもあり、戦争という蛮行はあり得ません。
五泉市は皆さまご承知のとおり、非核平和都市宣言をしています。市役所の前に十数年前から大きな立て看板もあり、五泉市民の平和への願いでもあります。
3月18日に五泉市議会において、ロシア連邦のウクライナでの即時停戦とロシア軍の撤退を求めるとともに、ウクライナへの人道支援や在留邦人の安全確保を求める「ロシアによるウクライナ侵略に抗議する決議」がなされました。
五泉市はいち早く、ウクライナ人道支援募金を呼びかけ、市役所や支所に募金箱を設置し、五泉市民の皆さまの篤志をウクライナへ五泉から届けようとご協力をお願いしているところです。また、3月17日から五泉市ふるさと納税のサイトからも募ったところ、募金箱とサイトからをあわせて100万円を超える篤志が集まっています。篤志をいただきました皆さまに対しまして、五泉市を代表してお礼申しあげます。
今、私たちが微力でも、平和のため、ウクライナ市民のためにできることを模索しながら、今後とも引き続き募金等の協力をお願いさせていただきます。
また、当面の間、本庁ではウクライナ支援の証として、ウクライナ国旗を掲揚します。
ウクライナへ五泉の心を、皆さまとともに届けてまいります。
vol.1「春はあけぼの」(令和4年3月10日号)
市民のみなさま、こんにちは!
毎月10日号の紙面におきまして、私が五泉の折々のコト、モノに寄せる「ごせん歳時記」と題したコラムを掲載させていただきます。どうぞよろしくお願いします。
故郷五泉に戻り、久しぶりにこの時季を感じるのは、清少納言の「枕草子」の冒頭の「春はあけぼの、やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて」を想起し、朝の大蔵、菅名の山々の清々しい美しさです。
清少納言が内裏から京の山々を臨む風景とは異なりますが、空と山のコントラストは目を見張ります。
この風景は天候等によって毎日変わりますし、自分自身のその日の感情によっても変わりますが、心の風景として未来永劫焼き付けておきたいものです。
新型コロナウィルス感染症拡大によって社会が大きく変容しましたが、五泉の自然や人情は変わりません。
これから、五泉の花シリーズの開幕です。水芭蕉から始まり、桜、チューリップと3月4月の五泉を彩り、市民はもちろんのこと、市外からのみなさまの心を和やかにしてくれます。
コロナ禍で心を和やかにならない状況ですが、毎号で市民のみなさまへの感染予防の徹底をお願いし、また感染対策の決め手となるワクチン接種などあらゆる施策を講じて、市民のみなさまの安全・安心のため、全力で取り組んでまいります。
「明けない夜はない」ように、私はみなさまと一緒に春の光を心待ちに念じています。
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最終更新日:2024年09月10日