令和5年度 施政方針及び予算総括説明

第1章 施政方針及び予算の概要について

1 施政方針について

   令和5年第1回五泉市議会定例会におきまして、新年度予算案をご審議いただくにあたり、市政運営に臨む所信を明らかにし、市民の皆さま並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

 

   私が市長として、明日そして将来に輝く五泉市のまちづくりを担ってから、1年が経ちました。皆さまからの「新しい五泉市」への期待感の大きさに重責を感じ、日々身が引き締まる思いであります。

   就任以来、五泉市がより魅力的でさらに輝くまちとなるために自らを五泉のトップセールスマンとして取り組んでまいりました。私がこれまで培ったビジネス経験、ノウハウ、知見や人的ネットワークをフルに活用して、「訪れてよし、住んでよし」の新潟県一番のまちづくりにまい進してきたところであります。

   令和5年度につきましては、第2次総合計画後期基本計画の2年目となり、ウィズコロナ、ポストコロナに向けた社会経済活動の活性化を図るため、新しい視点(着想と発想)をもって、子どもから高齢者まで切れ目のない施策の展開により、市民の誰一人取り残さない、五泉に住んでよかったと誰もが実感しながら暮らせるまちの実現に向け、予算編成をいたしました。

   こういった背景に基づき、市民の皆さま並びに五泉市を支えてくださる皆さまの声に耳を傾け、「1.少子化の打開」「2.人口減少の歯止め」「3.市民と行政のコミュニケーション活性化」「4.交流人口の促進」「5.SDGsへの取り組み」の5つのテーマを重点施策として推進してまいります。

   この重点施策立案に至った経緯としては、それぞれの主な施策をもって説明します。

   「1.少子化の打開」は、本第211回通常国会において、異次元の少子化対策が大きなテーマとなっており、少子化は国家の存亡にかかる最重要課題と位置づけて国や県が本腰を入れて取り組み、児童手当の拡充、保育、教育の無償化等は、経済的負担を社会全体で分かち合うことが前提となります。地方自治体の財源をもってすべてにわたって支援するには限界があります。

   国として県としての大局的な支援策を注視しつつ、地元五泉市の子育て世代、またこれから子どもを持とうとする世代等の声をお聞きしたうえで、第3子以降保育料無償化、出生から高校生までの入院時一部負担金無償化、老朽化の進む村松子育て支援センターの移転・改修、学校・保育園等の給食費支援、遠距離通学バスの冬季1か月前倒し運行支援など喫緊、優先すべき事業を精査し立案しました。

   「2.人口減少の歯止め」は、一朝一夕、一足飛びでは結果が出るものではないものの、従来、成果をあげているウェルカムファミリー住まいる事業の拡充として、中古物件購入者に対して助成金を加算します。これは、増加する空き家の発生抑制と利活用にもつながると考えています。さらに、五泉の誇れる水資源を活かし、水道料金を月5千円上限に1年間減免し、新規転入世帯へ訴求します。

   また、新規就農者を呼び込むためニューファーマーズ応援事業補助金を設けます。後継者問題が顕著な農業への施策として立案しました。

   「3.市民と行政のコミュニケーション活性化」は、高齢による自動車免許の返納やコロナ禍により、日常的な行動が限定された高齢者、特に村松地域の村部の市民より、外出が不自由になり遠のく行政サービスの懸念が寄せられました。

   長年、村松地域から五泉中央病院間の乗り換えなしの要望は多数あり、今般、通院サポートタクシーとして乗り換えなしで移動できる定額運行タクシーの実証試験を実施することとしました。また、移動図書館として定期的に遠隔地へ出向き、図書の貸し出しなど行い、市民と行政との距離を縮め、コミュニケーションの活性化を図ります。

   出向く行政サービスの一方で、日常的に使用されるコミュニケーションの手段として定着したLINEなどのSNSを活用して防災情報等を配信することにより、市民との情報伝達、共有を推進します。

   また、市役所1階ロビーのスペースをバリアフリー化に改修し、期日前投票所や各種受付業務などの手続きを行い、市民の利便性の向上を図ります。

   「4.交流人口の促進」は、私は五泉市への移住・定住人口の促進は、まず人を呼び込む五泉を通じ千客万来のまちづくりを目指し、いわゆる五泉ファン、関係人口を増やし、五泉の地域と関わりを向上させていく流れを提唱し取り組んでいます。新型コロナウイルス感染症の発現によって個人の行動や価値観、私たちを取り巻く社会が大きく変容する中、明日そして将来を見据えた次の一歩、挑戦が必要です。

   競技や勝ち負け第一主義であったスポーツも同様に変化しており、世界の新たな潮流として年齢、性別、国籍も関係ないダイバーシティという概念がスポーツの分野にも見受けられます。2021年東京で開催された東京2020オリンピック・パラリンピックでは、スポーツクライミング、スケートボード等の新スポーツ競技が正式種目となり、24年のパリオリンピック・パラリンピック、その先の28年のロサンゼルスオリンピック・パラリンピックでも新スポーツ、いわゆるアーバンスポーツ・都市型スポーツの展開が見込まれます。スポーツを通して汗をかく、健康づくりに役立てるよう、五泉市の子ども、若者、親子、アクティブシニアそして障がいのある方、年齢・性別・国籍・人種などバックボーンにとらわれないアーバンスポーツ施設をこのたび構想し、交流人口の拡大や健康増進に寄与する取り組みを立案します。また、従来のスポーツ施設を活用して市外の学校、団体等の合宿や大会誘致などに取り組み、スポーツツーリズムを推進します。

   一昨年開館した五泉のランドマークとなるラポルテ五泉は、目標を大きく上回る来場者数54万人に到達し、人を呼び込む五泉市へのゲートウェイになりつつあります。マーケティングの視点から、人が集まるところを起点に、五泉市内に点で存在する景勝地、自然、食、体験地を線で結び回遊させることが必須であり、従来五泉駅前に所在する観光案内所をラポルテ五泉へ移設し、五泉市のゲートウェイとして先鋭化を図ります。

   「5.SDGsへの取り組み」は、五泉市のみならず他自治体はじめ五泉市内の学校、企業など、あらゆる場面でSDGsの17のテーマを意識した地道な取り組みがなされています。五泉市では広報ごせんの紙面において、各種事業や施策についてSDGsのテーマにかかる市民への啓発や実践を行っています。

   今般、地球温暖化防止カーボンニュートラルへの取り組みとして、国が認証するJクレジット導入に着手します。今後、五泉市の面積の7割に及ぶ森林を活用し、葛飾区をはじめ首都圏の自治体に対して五泉市のカーボンニュートラルの取り組みを提案し、森林環境贈与税等の活用のための一歩を進めます。

   また、公用車の更新にあわせて環境負荷の低減、いわゆる環境にやさしく、かつ災害時に電源供給が可能な電気自動車を導入します。また、令和7年度より新しい焼却場の稼働を予定する中、ごみの減量化推進や資源の有効利用に向けた取り組みは必須であり、家庭ごみの生ごみ処理機購入支援を行います。農業において環境にやさしい栽培方法や低コスト生産に取り組む強い農業経営づくりを支援します。

 

   以上の重点施策の推進を第一に、また、第2次五泉市総合計画後期基本計画1年目のPDCAを意識して全庁体制で取り組んでいくとともに、急激な社会変化や、将来のハード・ソフトへの投資による財政出動に備え、財政調整基金の取り崩しを行うことなく、健全財政を維持してまいります。

   今後も五泉市のさらなる飛躍のため力を尽くしてまいりますので、皆さまから一層のお力添えを賜りますようお願い申しあげます。

2 予算の概要について

(1)一般会計

   予算規模は、7会計で408億7,390万3千円となり、1億6,574万2千円、0.4%の増であります。

   このうち一般会計は、3.8%増の236億7,500万円であります。一般会計以外については、6会計の合計で171億9,890万3千円となり、前年度に比べ6億9,925万8千円、3.9%の減となりました。

1.歳入

   市税は個人市民税、法人市民税、固定資産税などの増により3.3%増の52億8,490万1千円、地方消費税交付金は11.7%増の12億8,000万円、地方交付税は0.9%増の77億3,700万円を見込みました。

   繰入金は、財政調整基金の取り崩しを行わないこととしております。市債は20.8%増の35億9,590万2千円を見込みました。

2.歳出

   総務費は総合会館改修事業の減などにより8.7%減の21億7,747万9千円、衛生費は五泉地域衛生施設組合負担金の増などにより32.2%増の28億875万円、商工費は景気対策特別借換資金預託金の減などにより12.3%減の7億3,835万9千円であります。

   土木費は舗装補修事業の増、東南環状線整備事業の減などにより4.1%増の21億9,469万2千円、教育費は五箇スポーツ会館の外部工事や(仮称)アーバンスポーツ施設建設事業の増などにより、10.8%増の17億7,919万8千円、公債費は借換債の減などにより、5.3%減の41億5,670万2千円であります。

(2)特別会計

1.国民健康保険事業

   予算総額は、歳入歳出それぞれ51億7,812万円であり、前年度対比2.6%の増であります。

   増額の主な理由は、保険給付費の増加によるものであります。

2.介護保険事業

   予算総額は、歳入歳出それぞれ63億2,767万円であり、前年度対比0.1%の減であります。

3.後期高齢者医療事業

   予算総額は、歳入歳出それぞれ5億8,981万5千円であり、前年度対比1.2%の増であります。

   増額の主な理由は、後期高齢者医療広域連合納付金の増加によるものであります。

4.水道事業

   予算総額は、19億4,506万3千円であり、前年度対比9.7%の減であります。

   減額の主な理由は、建設改良費の減少であります。

5.下水道事業

   予算総額は、31億5,362万円であり、前年度対比16.5%の減であります。

   減額の主な理由は、企業債償還金の減少であります。

第2章 具体的な施策について

1 笑顔あふれる いきいきのまち 【いきいきの泉】

(1)子どもたちが明るくいきいきとしているまちづくり

   主体的にICT機器を活用する学びの姿勢を育み学習意欲の向上を図るため、引き続きICT環境の整備に努めるとともに、ICTを活用した教育を推進し、児童生徒の情報活用能力を育成してまいります。

   特別な支援を必要としている児童生徒に対しては、一人ひとりのニーズに合ったきめ細やかな教育を行うため、支援体制の充実を図ります。

   また、地域ぐるみで子どもの成長を支えるため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動本部の両輪で、引き続き地域と学校の連携・協働を進めます。

   小・中学校の整備につきましては、子どもたちが安全かつ快適な環境で教育を受けることができるよう、川東小学校及び村松小学校屋上防水工事、五泉北中学校グラウンド整備工事等を実施し、学校施設の維持改良を行ってまいります。

(2)ともに学び生きがいをもてるまちづくり

   学びの機会を創出し、その成果を活かせるよう、引き続き市民の生涯学習活動を支援してまいります。

   生涯学習施設の環境整備では、さくらんど会館の舞台機構設備更新工事などを実施します。

   生涯スポーツの推進につきましては、市民の健康増進・体力づくりのため、市民ニーズに合わせたスポーツ教室や大会を開催するとともに、地域おこし協力隊を任用し、新しい視点から市民のスポーツ活動を支援します。

   また、スポーツ大会や合宿などを通して、交流人口の拡大と地域経済の活性化を図るため、スポーツツーリズムの推進に取り組んでまいります。

   スポーツ施設の環境整備では、五箇スポーツ会館や市営野球場などの改修工事の実施と、重点施策で説明しました(仮称)アーバンスポーツ施設建設に係る基本設計に着手します。

   芸術文化の振興では、市民の主体的な活動を支援するとともに、優れた芸術の鑑賞機会を提供します。

   図書館につきましては、市民の知的好奇心を満たすため、魅力的な図書や各種資料の収集・保存に努めるとともに、生涯を通して本に親しむことができるよう、引き続き子ども読書活動推進計画による読書環境づくりを進めてまいります。さらに、重点施策で説明しました図書館から遠隔地に住む市民が気軽に本に触れることができるよう、新たに移動図書館による市民と行政の距離を縮め、行政情報提供や図書等の貸出しを行います。また、五泉図書館屋上受変電設備更新工事を行い、施設の維持に努めます。

   文化財の保護と利活用では、引き続き市内に現存する文化財等の保護・保存と啓発に努めてまいります。

(3)一人ひとりが活躍できるまちづくり

   高齢者の生きがい創出と生活支援の充実につきましては、高齢者が地域社会で介護予防や生きがいづくりの活動を通して、生き生きと充実した生活を送ることができるよう、各種活動に参加しやすい環境を整備するとともに、在宅生活を継続するための支援や福祉サービスの充実を図ります。

   障がいのある人の自立と社会参加への支援につきましては、障がいのある人が住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、関係機関と連携し支援体制のさらなる充実を図ります。

   さまざまな事情からひきこもりの状態になっている人やその家族に対しては、引き続き必要な支援を届けられるよう、相談しやすい体制づくりに努めます。

2 信頼あふれる 安心のまち 【安心の泉】

(1)安心して子育てができるまちづくり

   令和5年4月に施行されるこども基本法の理念に則り、子どもと子育て家庭を支援し、子どもたちが健やかに成長できる取り組みを推進するとともに、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境の整備に努めます。

   妊娠・出産期から子育て期にわたり、子育て世代包括支援センター「にこにこスクエア」を核とした相談体制により切れ目のない支援を行います。また、不妊治療費助成、妊娠時・出生時の応援金給付や低所得の妊婦への初回産科受診料助成等により、安心して妊娠・出産できるよう支援します。

   父親の育児参加促進を図るため、父親・パートナーの産前・産後サポート事業への参加や新生児パパママ訪問への同席を引き続き推進していきます。

   第3子以降の保育料無償化の要件緩和、子どもの入院にかかる医療費の無償化、ファミリー子育て応援パスポートの対象年齢の拡充等を行い、子育て世帯の経済的負担を軽減します。

   施設整備につきましては、保健センターのトイレ改修工事、こばと保育園の空調設備入替工事、学童クラブにWi-Fi環境を整えるための無線LAN整備工事等を行うとともに、重点施策で説明しました、老朽化している村松子育て支援センターを村松保健センター内に移転するための改修工事を実施します。

   また、公立保育園等の統廃合に向け、保育園等適正配置実施計画について保護者及び地域への説明や、令和7年度からの第3次子ども・子育て支援事業計画策定に向けたニーズ調査を実施します。

(2)健康で安心して暮らせるまちづくり

   健康づくりにつきましては、健康増進計画第2次後期計画に基づき、市民自らが生活習慣を見直し、健康づくりや健康管理ができるよう普及啓発に努めます。

   疾病予防につきましては、関係機関と連携し、健康診査や各種がん検診の受診率の向上を目指します。

   口腔の健康づくりでは、歯科保健計画第2次後期計画に基づき、全ての年代において口腔の健康づくりの取り組みを推進してまいります。

   自殺予防につきましては、自殺対策計画に基づき、誰も自殺に追い込まれることのないよう、生きることの包括的な支援を推進します。

   食育の推進では、第4次食育推進計画で3つの重点目標を掲げ、その目標達成の扉を開く鍵を「13の鍵」と表現しています。全世代型の食育を推進し、食を通じた市民の健康で豊かな生活の実現に向けた取り組みを進めます。

   新型コロナウイルス感染症対策では、感染予防の徹底をお願いし、また、感染対策の決め手となる全市民を対象としたワクチン接種につきましても、国・県の方針などを基本とした対応に努めます。

   高齢者福祉と介護保険の充実では、高齢者の自立支援・重度化予防として、短期集中予防サービスのさらなる充実を図るため、普及・啓発に取り組みます。

   また、令和6年度から令和8年度までの3年間を計画期間とした高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画を策定し、団塊ジュニア世代が65歳に到達する令和22年を見据え、中長期にわたって持続可能な介護保険事業の推進を図ります。

   市民の生命と健康を守る救急医療では、医師会などの協力を得ながら、継続実施に努めます。

   国民健康保険につきましては、被保険者が「自分の健康は自分で守る」という意識を持ち、自分の健康状態を把握し、病気等の早期発見・治療につなげることができるよう、特定健康診査の実施や人間ドック、脳ドック及び、がんドックの受診費用に対する助成を引き続き行います。

   また、新たに国保連合会の特定健診受診率向上支援事業を活用し、特定健診の未受診者に対して被保険者の傾向別に分けた受診勧奨を行い、受診率の向上を目指します。

   後期高齢者医療につきましては、被保険者が健康で自立した生活を長く過ごせるように、引き続き人間ドックの受診費用に対する助成を行います。

   生活困窮者の相談支援におきましては、くらしの支援センターが引き続き支援を実施します。

(3)安全な生活環境を守るまちづくり

   環境の保全につきましては、重点施策で説明しましたが、国が進める2050年カーボンニュートラルの実現に向け、新たに五泉市の豊かな森林資源を活用し、地球温暖化の原因である温室効果ガスの吸収源を創出する「森林管理によるJクレジット事業」に取り組みます。

   また、有害鳥獣対策では、目撃情報や被害情報などの総合的な窓口である有害鳥獣対策連絡センターを広く周知し、被害の未然防止に努めます。

   水道事業では、安全で安心なおいしい水を安定して供給するため、配水管の新設や布設替工事、浄水場の整備を引き続き進めてまいります。

   交通安全につきましては、交通マナー向上の啓発や交通安全施設の整備と併せ、警察署との連携や交通安全協会、交通安全市民の会などの関係機関と協力を図りながら、一層の対策を進めます。

   防犯対策では、警察など関係機関との連携や防犯カメラの活用により犯罪の抑制に努めます。また、町内会等が実施する防犯カメラの整備や防犯灯のLED化、犯罪にあわれた方への支援を引き続き実施してまいります。

   消費者トラブル対策では、多様化する特殊詐欺や通信販売のトラブルなどに対し、専門員による相談や解決に向けた助言、広報を活用した啓発などを行い、引き続き被害防止に努めます。

   冬期間の道路交通につきましては、除雪機械を主体に、新潟県と連携を図り、地域の協力を得ながら安全で効率的に除雪を行います。

   雪寒地域道路整備では、羽下、北五泉駅前、粟島、寺沢2丁目に消雪パイプを布設するとともに、水島町、三本木1丁目で消雪用井戸を掘削します。また、仲丁、新町の老朽化した消雪パイプの布設替えを行います。

(4)非常時に充分な対応ができるまちづくり

   消防防災施設整備では、消火栓や耐震性防火水槽を設置し、消防団の小型動力ポンプ積載車の更新と消防器具置場等を整備し消防力を強化します。

   消防団員につきましては、報酬等を見直します。

   また、老朽化した消防緊急通信システム(119番通報受信システム)を更新し、出動体制の維持を図ります。

   火災予防対策では、住宅用火災警報器の設置促進と維持管理の啓発に引き続き取り組んでまいります。

   救急業務では、高規格救急車1台を更新整備するとともに、救命率向上に向け、ドクターヘリの有効利用と救急救命士1名を養成します。

   さらに近年、全国的に頻発、激甚化する災害に対応するため、引き続き自主防災組織及び防災リーダーの養成・育成を図り、防災リーダーが主体となって行う自主防災組織の活動を支援するとともに、関係団体等と連携し、地域での防災訓練を実施することで地域防災力の強化を推進します。

   浸水対策では、五泉地区の老朽化している雨水幹線の長寿命化工事を進めます。

   また、従来の防災行政無線や五泉あんしんメールなどに加え、重点施策で説明しましたが、今年度よりLINEアプリによる防災情報の配信を開始し、複数の手段を活用して災害発生時等における迅速、的確な情報伝達に取り組みます。

3 交流あふれる ふれあい豊かなまち 【ふれあいの泉】

(1)青少年を地域ぐるみで育むまちづくり

   家庭教育学級と研修会を開催し、家庭において適切な教育を支援してまいります。

   青少年健全育成につきましては、関係機関と連携し、地域の未来を担う青少年を社会全体で育む取り組みを推進します。また、青少年育成センターの周知と相談体制の充実を図り、悩みを持つ青少年や保護者を支援してまいります。

(2)多様な文化にふれあえるまちづくり

   国際化に向けた環境づくりでは、国際交流団体の活動を支援しながら、多様な文化への理解を深め、交流を進めて五泉市におけるインバウンド、アウトバウンドへの気運の醸成につなげます。

4 賑わいあふれる 活気あるまち 【活気の泉】

(1)活力ある商工業を育むまちづくり

   商業につきましては、関係団体が行う経営改善普及事業への支援をはじめ、マイホーム建設や住宅リフォーム、市内で新たに出店を希望する意欲ある起業者への支援を引き続き行います。

   工業では、絹織物業、ニット産業、木材製材業を引き続き支援するほか、地域おこし協力隊を活用した、五泉の良いものつたえ隊員から、五泉市の産業を全般的に広く発信し、活性化を図ってまいります。

   金融対策では、中小商工事業者への円滑な資金運用と経営の安定化を図るため、各種制度資金や信用保証料の補給など、金融機関と連携しながら引き続き支援します。

   また、五泉市への来訪につなげるスタンプラリー等を開催し、市内の各店舗に足を運んでもらえるよう、五泉市観光協会ほか関係団体と連携して行います。

(2)魅力ある農林業を育むまちづくり

   農業は国の礎であるとともに、市の重要な基幹産業であります。

   食生活の変化や人口減などの影響により主食用米の需要が落ち込み、米価の低迷が続いていることから、飼料用米への転換に対し支援します。また、良質米生産対策として病害虫防除に対する支援を行うなど、一等米比率の向上を目指します。

   農産物の振興では、育苗ハウスを利用した果樹栽培に対するモデル事業を新たに行うとともに、引き続き生分解性マルチの導入を支援してまいります。また、ラポルテ五泉にチューリップの回廊「ルデフル」をバージョンアップしたうえで再設置するなど、チューリップまつり・花木まつりをはじめ、各種イベントの開催を通して交流人口の拡大を図るとともに、特産農作物のPRや販売促進活動に取り組んでまいります。

   担い手対策では、重点施策で説明しましたが、新規就農者の支援として、ニューファーマーズ応援事業を新設し、次代を担う農業者を支援します。また、環境にやさしい栽培方法や低コスト生産に取り組む農家に対して農業機械等の導入を支援する、強い農業経営づくり支援事業を新設するとともに、小規模であっても、がんばって農業を続けている農家の経営継続を支援するため、がんばる農家営農継続支援事業を引き続き実施します。

   毎年発生している鳥獣被害の防止対策では、追払い用花火の提供や電気柵設置の補助を実施するとともに、有害鳥獣対策連絡会議を中心に地元猟友会や地域と連携を図りながら、被害軽減に努めてまいります。

   農業基盤の整備では、別所、四ケ村、羽下地区のほか、本田屋、東石曽根地区の圃場整備を推進してまいります。また、桑山川地区の湛水防除、長橋、阿弥陀瀬、山谷地区、暮坪地区のため池等整備など、県営土地改良事業を推進してまいります。

   農業基盤の維持管理では、多面的機能支払交付金の取り組みを支援してまいります。また、ため池廃止基本計画に基づき順次廃止工事を行い、集中豪雨などの災害に備えます。

   林業につきましては、間伐や作業道等の維持管理を支援するとともに、林道橋などの長寿命化を図ることで、森林整備を推進してまいります。また、市産材の増産、木材振興を図るため、森林組合の林業機械導入に対して支援します。さらに、東京都葛飾区と新たに締結した森林整備に関する協定に基づき、葛飾区の森林環境譲与税を活用して市有林の整備を行い、森林の保全、地球温暖化防止及び都市交流を推進するため、都市交流による森林保全事業を新設します。

   ふるさと応援寄附金につきましては、平成28年度をピークに年々減少傾向にありましたが、昨年庁内にプロジェクトチームを設け、積極的な情報発信や寄附受付サイトの拡充により寄附金が増加しております。マーケティングを駆使し、返礼品のさらなる充実を図るとともに、寄附受付サイトもさらに拡充させ、五泉市の産業や観光資源を全国へ情報発信し、交流人口・関係人口の増加につなげてまいります。

(3)地域の魅力を活かし高めるまちづくり

   観光振興につきましては、新体制となる五泉市観光協会と連携し、豊かな自然・歴史文化・食・温泉などの魅力的な五泉市の情報発信を行い、各種イベントの開催や、点を線で結ぶルートの開発、首都圏における物販イベントやPR活動に取り組み、交流人口の拡大を図ります。

   また、五泉市を中心とした広域観光圏阿賀路を阿賀野川ライン観光協会や新潟市連携中枢都市圏事業等との連携を深化させ広域的な観光ルートの創出や本年2月に開催し大好評の「ごっつぉまつり阿賀路」等の酒、食のイベント等を積極的に開催し取り組んでまいります。

   ラポルテ五泉につきましては、重点施策で説明しましたとおり、五泉市の文化や産業、観光のランドマーク及びゲートウェイと先鋭化し、指定管理者や関係機関と協議しながら各種事業やイベントを実施し、交流人口の拡大と地域の活性化を図ってまいります。

   新たな雇用の創出と働く場の確保につきましては、企業誘致を専門とする産業政策監による企業訪問や誘致活動を継続的に行い、五泉市の魅力を発信するとともに、新たな企業の誘致に向けて取り組んでまいります。

   若者の定住、就職に向けた取り組みとしましては、雇用対策協議会と連携し、市内企業のPRや求人状況の情報提供などを行い、市内の高校の協力も得ながら地元への就職を促進します。

   また、ウェルカムファミリー住まいる事業、グランドファミリー住まいる事業、結婚新生活支援事業に引き続き取り組み、新婚世帯や子育て世帯の転入を促すとともに、若者等の定住促進を図ってまいります。さらに新たな取り組みとして、重点施策で説明しましたが、ウェルカムファミリー住まいる事業の対象世帯に対し、中古住宅を購入する場合の補助加算制度を創設するほか、水道料金の減免を12か月間実施します。

   Uターン・Iターンの促進としましては、県外に住む人たちが一定期間滞在し、働きながら地域住民との交流などを通じて地域の暮らしを体験できるふるさとワーキングホリデー事業に取り組み、交流人口の増加や移住・定住につなげてまいります。

   また、地域おこし協力隊制度を活用し、ホームページやSNSを通じた市の情報発信を強化するほか、移住に関する相談等を専門的に行う移住コンシェルジュを取り入れます。

5 潤いあふれる 快適なまち 【快適の泉】

(1)一人ひとりが快適な生活環境を守るまちづくり

   重点施策で説明しましたが、ごみの減量化とリサイクルの推進につきましては、新たに生ごみ処理機の購入に対する支援を行い、ごみ減量化を促進します。また、新しい焼却場の本稼働に向けた分別区分の変更等に係る説明会を開催し、新施設への移行がスムーズにできるよう努めます。

   現在建設中のごみ処理施設につきましては、令和7年度の供用開始に向け計画どおり進捗しており、引き続き市民への情報提供を行ってまいります。

   下水道事業では、太田、三本木、石曽根などの地域で整備を進めてまいります。

(2)誰もが快適に暮らせるまちづくり

   道路整備としましては、8路線で道路改良事業を行い、8橋の橋梁改修工事を実施いたします。

   また、県が実施する都市計画道路「東南環状線」の工事や主要地方道白根安田線の街路事業などにつきましても連携を図ってまいります。

   公共交通の環境整備では、ふれあいバスと乗合タクシーさくら号が市民の移動手段として使いやすい交通機関となるよう取り組んでまいります。

   また、重点施策で説明しましたが、村松地域と五泉中央病院を結ぶ新たな交通手段の実証実験として、通院サポートタクシー(愛称:サポタク)の運行により通院の利便性向上を図るとともに、利用状況等を把握します。

   空き家等の対策では、所有者等に空き家の発生抑制や適正管理を働きかけるとともに、空き家バンクの利活用を進めてまいります。

6 市民協働と信頼による自立したまち 【基本構想・基本計画の実現のために】

(1)市民と行政による協働のまちづくり

   市民、地域および行政が互いに持てる力を発揮して、協力しながら活動できるまちを目指し、町内会や市民団体などの活動を支援して、地域づくり活動の活性化に取り組んでまいります。

   また、平和と人権が尊重される社会の形成と、戦争の悲惨さや平和の尊さを後世に伝えるため、毎年8月6日に広島市で開催される平和記念式典に中学生を各中学校から派遣して取り組みを推進します。

   本庁舎の市民コーナーは段差を解消し、さまざまな用途に使えるスペースへ改修します。

   五泉市議会議員選挙より、期日前投票所から離れている一部の地域で試行的に移動期日前投票を行い、投票機会の確保及び投票率の向上を図ります。

(2)効率的・効果的に行政経営が行われているまちづくり

   五泉市では現在、多くの地方自治体が抱える人口減少・少子高齢化社会という課題に直面しており、人口減少による税収の減少やごみ処理施設などのインフラ整備により、市の行財政基盤は厳しさを増しています。

   このような状況を踏まえ、令和4年度に策定した第4次行財政改革大綱に基づき、予算や人材など限りある行財政資源を有効に活用するとともに、DX推進方針に基づくデジタル化の取り組みにより効率的で質の高い行政運営を目指します。

   また、自主財源確保の観点から、ふるさと応援寄附金事業に引き続き力を入れていくほか、市が所有する施設に名称を付ける権利を売却するネーミングライツ事業に新たに取り組みます。

   第2次総合計画後期基本計画に掲げる将来像『ずっと五泉。~次の一歩を、ともに未来へ~』の実現に向け、ウィズコロナ、ポストコロナに向けた社会経済活動の活性化を図るため「新しい視点(着想と発想)で次の一歩、ずっと五泉。」へとバージョンアップし、市民と行政がそれぞれの役割と責任のもと、効果的・効率的に事業を進めていくとともに、将来に向け持続可能な行財政基盤の確立を目指してまいります。

   以上、新年度における所信と施策・事業の概要等について申し述べました。何とぞ慎重にご審議の上、これより上程された各議案それぞれにつきましてご賛同を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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最終更新日:2023年02月24日